平成25年 第3回定例会 予算特別委員会 総括質疑

9月10日

1  災害時等の情報伝達について

気象庁は8月30日から特別警報の運用を開始。特別警報発令時には、市区町村が最大限の警戒を住民に迅速に周知する義務を負う。防災行政無線の屋外スピーカーは「聞き取りにくい」一方で「うるさい」と言われ、個々の音量や向きの調整、移設等を行ってきたが、対応に限界がある。
明日、9月11日はこの屋外スピーカーを使用し、全国瞬時警報システム(J-ALERT)の訓練が全国一斉に行われる。全国瞬時警報システム(J-ALERT)とは、大規模災害や武力攻撃事態が発生した際、国が人工衛星を通じて緊急警報を地方公共団体に送信し、市区町村の同報系防災無線を自動的に起動するシステム。中野区としては今回が初めての訓練。

区の防災行政無線には、住民に一斉に情報を伝える同報系、災害現場等と連携をとるための移動系、戸別アナログ受信機の地域系がある。移動系は既にデジタル化されているが、同報系はアナログのまま。アナログ電波帯の使用期限は平成34年。防災行政無線のデジタル化は財政負担が大きく、全国的にあまり進んでいなかったが、災害を経験した自治体では高性能機器を導入してのデジタル化の取り組みが広がっている。防災行政無線のデジタル化に伴い、区として必要な機能を見極め、整備していくことが肝要。

防災行政無線の同報系のデジタル化は整備に時間がかかる。現在の「聞き取れない」を改善するために、電話による音声自動応答サービスに加えて、放送内容を区の防災メールや区のホームページでも周知すべきではないか。

防災行政無線の内容は、電話による音声自動応答サービスのほか、ホームページやメールマガジン等で送信している。今後、より一層充実強化を図る。

デジタルサイネージ(電子掲示板)を人通りの多いところや人の集まるところに設置すれば聴覚障害者への支援策ともなり、非常に効果的。ぜひ導入すべきではないか。

防災行政無線による音声の利点と文字情報の利点を考慮し、他の情報発信方法も含めて積極的活用を目指す。

現在の設置場所がデジタル化に相応しいのか、検証すべきではないか。

屋外スピーカーは、概ね区内均等に設置しているが、文字情報を発信するならば、機材のあり方や配置場所について検討の必要がある。

停電時にも数日間は対応できるよう蓄電型やバッテリーの容量増設など、停電時の対策を強化すべきではないか。

防災行政無線の拡声器のバッテリーは、使用の有無にかかわらず劣化するので計画的に更新している。新規システムを導入する際にはそうしたことも十分に配慮し検討したい。

インターネットを使えない高齢者等への情報周知として、屋外のみならず室内でも聞くことのできる戸別受信機の配備について伺う。

戸別受信機を区内全戸に配備する考えはない。防災関係機関や防災会リーダー等への配備については他の情報発信方法の有効性も含めて検討する。

区は災害時の情報を区民へ周知するために、屋外スピーカー、ケーブルテレビのテロップ、区のホームページ、防災情報メール、SNS、巡回広報など、伝達経路の拡大に取り組んできたが、一つの作業でより多くの伝達経路へ連動し、一斉発信ができるシステムの導入について伺う。

防災行政無線と他の情報発信方法と連動させるシステムの導入を検討する。

区が災害に強い情報のライフラインを構築し、情報伝達や情報取得の方法を区民に周知することが必要ではないか。

災害時の情報の取得手段の充実と区民への周知は大変重要な課題。インターネットで情報を取得することができない方々にも様々な情報伝達が行えるよう、巡回広報や防災行政無線などの適切な活用について検討する。

区は現在、CO2の削減と行政コストの削減を目指して区内約1万6,000基の街路灯の全てをLEDへと転換中。5年間の転換計画は本年度が最終年で、完了すればランニングコストが毎年約9,000万円削減との試算。町中の全ての街路灯のLED化は、中野区が国内初の事例と思われる。
現在改定作業中の中野区環境基本計画第2次アクションプログラム(案)には、区有施設の照明器具のLED導入を促進しCO2と電力の削減を図る旨が示されているが、公園施設等については、太陽光パネル付加型が設置された大規模防災公園、エバーライト等の省エネ型の照明が設置された桃園川緑道を含む公園等ごく僅か。

既存の街路灯のポール内にバッテリーを納めるタイプが開発され、従来の停電時でも点灯する街路灯とコストを比較すると、約半分から3分の1に削減できる。主要な公園施設等への蓄電型園内灯の導入について伺う。

災害時、停電した際に点灯する公園の街灯の設置は、広域避難場所となる公園や幹線道路沿いにある公園、日ごろから利用者の多い公園などでは特に入り口付近で有効。機種や機材の特性をよく調査し検討する。

東京都福祉保健局が7月23日に発表した「都内の保育サービス利用状況」では23区全てで保育サービス利用児童数が増大。就学前人口の増加や両親の共働きの定着により、この傾向はまだ暫く続くと思われる。

各区は、待機児対策のため施設整備や情報提供に努めているが、保育園を新たに誘致する場合、園庭がなくても近くの公園等を活用できれば基準を満たす。先日、新しく開設された区内の認証保育園を視察。園児が安心して遊べる公園遊具整備の要望があった。保育園の誘致と公園の長寿命化のための公園施設整備計画について伺う。

関係部署や関係者の意見を聞きながら公園施設の更新時に公園遊具の整備について検討する。公園施設は、平成21年度に遊具やトイレを中心に長寿命化計画を策定。平成24年度には国から新しい策定指針の案が示され、現在この指針に基づいて改定作業が進行中。

2  高齢者等の住み替え支援について

高齢者が住居の賃貸契約が出来ないとの相談が多い。家主は高齢者が体調を崩すことや亡くなることを心配する。区として本年4月からスタートした都のシルバー交番制度を活用した緊急通報システムが、高齢者の住みかえ支援に寄与。葬儀費用や原状回復費用等の問題があるが、近頃では損保会社や保証協会が特約として家財整理や葬儀費用を組み入れた保険商品を開発。 

生活保護受給者の場合、賃貸契約を結ぶ際の火災保険の加入料や死亡時の葬儀費用は保護費の中から法内支援として給付されるが、家財整理費用や原状回復費用の給付は無く、家主の負担となる。家主の費用負担をなくすことが高齢者等の住みかえ支援につながる。保護費の法内支援が難しい場合、区として独自の支援策を検討すべきではないか。

現行生活保護制度では、家財等の整理を対象とした保険料を保護費として支給することはできないが、生活保護を受給する単身高齢者が死亡し、頼るべき近親者や縁故者がいない等の場合は、現在でもその後処理を区で行っている。

生活保護受給者でない高齢者の住み替えの際、保証人がいない等の理由で家賃の債務保証制度に加入する場合に費用の助成制度がある一方、物件の契約締結時の火災保険の加入に対する助成制度は無い。生活保護受給者とそうでない高齢者の支援に差がある。高齢者の住みかえ支援のため、区として支援策のあり方を検討すべきではないか。

区では現在、高齢者の住みかえ支援として、民間の保証会社の保証料に対する助成を行っている。火災保険については、保険料負担の支援を行う予定はないが、保険の価格や補償内容等を精査し、利活用が可能な優良商品についてはその普及啓発に取り組みたい。

3  環境施策について

本年4月1日より、区内9カ所のスーパーに設置されているペットボトルの破砕回収機にペットボトルを投入するとポイントがもらえる制度がスタート。ペットボトル1本で2ポイント。500ポイント単位で50円相当のお買い物券や店舗独自のポイントに交換できる。かさばるペットボトルを細かく砕き、量を8分の1にすることで効率よく回収・運搬でき、CO2の排出削減効果もある。昨年の同時期と比べ、破砕機での回収量は約2倍。集積場でのペットボトルの回収量も増え続けており、杉並区にある中間集積所に持ち込める1日当たり5トンまでの取り決め枠いっぱいになりつつある。費用面では、破砕機による回収方式はポイント還元分を含めても回収コストを抑えることができる。

ペットボトルのポイント制度をさらに普及させるため、破砕回収機を来年度は10台増設の予定。区民が身近で利用できるよう、更なる増設を図るべきで、現在設置されているスーパー店頭での増設に加え、区有施設等への設置を検討すべきではないか。

破砕回収機によるペットボトル回収は、ポイント付与など区民の利用拡大の啓発に努め、増設を目指す。この破砕回収機は従量制による契約で、回収量が多いほど回収単価の低減が期待できるため、日常的な利用に便利なスーパーの店頭に設置している。今後はスーパーの店頭以外でも条件を満たすところへの設置を検討する。

集積所のペットボトルの回収量の増加で、特に夏は飲料水の需要増から回収が追いつかない状況。東京ルールスリーの実行により、平成27年にはコンビニ等の店頭に設置されているペットボトル回収ボックスが撤去され、回収量はさらに増えることになる。ペットボトルの破砕回収機の増設を進めるとともに、夏季の増車を図るべきではないか。

ペットボトルの回収量は増加傾向にあるが、現状では対応できている。今後は、ペットボトル飲料の需要がふえる夏に、回収量の地域差、季節差などの実態に合わせて車両数を増減させる傾斜配置など、さまざまな工夫を検討したい。

4 ペットとの共生について 

本年の6月、環境省は災害発生時、飼い主の責任においてペットとの同行避難を原則とした「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を公表。同行避難のためには、飼い主の日ごろからの心構えと備えについて啓発の必要があり、具体的な検討が急務。大規模災害時の動物救護対策は、動物愛護だけでなく、被災者である飼い主の避難を支援し、放浪動物による人への危害防止や生活環境保全の観点からも重要。そのための自治体の役割が大きく、検討すべき課題が多い。

環境省のガイドラインを参考に、区として具体的なマニュアルの作成や平時における飼い主への啓発、区民への周知などについて伺う。

避難所へのペットの同行避難は、地域防災計画の中にもあり、現在避難所ごとの避難所運営会議で対応を検討中。今後も地域の理解を得ながら推進していくが、同行避難を円滑に進めるには、避難所で使用するケージなど日ごろからの準備や発災時に備えたペットのしつけ等、飼い主への普及啓発が大切。周知内容や方策については、獣医師会等の関係機関の協力を得ながら検討したい。