平成24年 第4回定例会 予算特別委員会 総括質疑

12月3日

1 高齢者のための緊急通報システムについて

我が国は現在、世界のどの国も経験したことのない高齢社会を迎え、今後も高齢化が続く。平成24年版「高齢社会白書」では、高齢者人口は平成27年に3,395万人となり、その後も増加。平成72年には2.5人に1人が65歳以上。75歳以上の人口は総人口の26.9%で4人に1人が75歳以上と推計。高齢社会に応じた施策の充実が益々重要となる。中野区が昨年7月に行った「中野区民意識・実態調査」のアンケートで、見守りサービスは必要と答えた人が53.3%で最も多く、やや思うを合わせると7割以上の人が必要と答えた。また、サービスの内容については、高齢者のための見守り、緊急時の通報システムの要望が高いことがわかった。

これまで、東京都のシルバー交番制度を活用し、広く高齢者を対象とした緊急通報システムの構築を図るべきと主張してきた結果、都の要綱が改正され、区は高齢者の見守りのための中野区版シルバー交番制度の創設、慢性疾患を要件としない緊急通報システム事業の検討を進めてきた。現在、制度の最終調整段階にあると聞くが、中野区版シルバー交番制度、慢性疾患を要件としない緊急通報システムはどのような制度となるのか概要を伺う。

区は、すこやか福祉センターを拠点とし、総合的支援を提供できる体制づくりを行ってきた。この中で、地域の高齢者の安心のため、四つのすこやか福祉センターをシルバー交番として、緊急通報システムを活用した見守り体制の強化を行うことを検討している。東京都も運用の改善をするとのこと。これによって、慢性疾患を伴わない高齢者も区の緊急通報システムを利用することができる。

慢性疾患を要件としない緊急通報システムは、過日の答弁では65歳以上の単身世帯、高齢者のみの世帯、日中独居の高齢者を対象としたが、対象者の要件に変更はないか。

身体状況にかかわらず、高齢者単身世帯の方、高齢者のみの世帯の方、日中一人になる方が対象の予定。

慢性疾患を要件とする緊急通報システム利用者の自己負担額は、住民税非課税世帯は月額300円、住民税課税世帯は600円。今回の慢性疾患を要件としない場合の費用負担はいくらか。また、この制度はいつから開始されるのか。

費用負担はサービス利用に係る経費の半額程度。非課税世帯の方はさらにその半額程度。来年度当初からスタートできるよう検討を進めている。

2 平成25年度の主な取り組み(案)と平成24年度事業見直し(案)について

(1)がん検診について

 本年、区は、現在実施している各種がん検診に課題や問題点があることから、効果的、効率的で将来的にも持続可能な検診制度の確立と受診率の向上を図るため、中野区医師会や学識経験者を含めたがん検診等のあり方検討会で検討し、新たながん検診の仕組みを構築する。この新たながん検診の仕組みは、25年度の主な取り組みや24年度の事業見直し(案)として示された。近年、がん検診の効果を科学的な方法で評価し、効果があると認められてから公共の施策で実施することが国際標準となっている。我が国においても、がん死亡率の減少が認められた検査方法が国の推奨するがん検診や国の指針となる。

これまで区は、国の指針に沿ってがん検診を行ってきた。区としてこの方針を変更するのか、変更するというのであれば、その理由は何か。

がん検診の実施は基本的に国の指針に沿って実施することに変わりないが、がん検診が一般財源化されてから、検診の実施や検診方法の選択など区市町村の判断に委ねられている。区の財政状況も踏まえて、対策型検診として科学的根拠が明らかな検診を積極的に推進することが大切。

胃がん検診について区は、現在行っている検査のうち血清ペプシノゲン検査をやめ、ABC検査の導入を検討。今回の取り組み(案)には記載がないが、検討状況はどのようになっているのか。来年度からABC検査を導入すべきと考える。見解を伺う。

ABC検査は、今年度実施したがん検診等のあり方検討会でも話題となり、将来的な胃がん発症のリスクを見極め、適切な間隔で適切な検査を受けることの有益性を認識した。ABC検査の課題としては、財政上の問題と検査受診後のフォロー体制の仕組み。現在検討中。

区は来年度、肺がん検診を全て廃止する案を提示。他の自治体では大多数肺がん検診を実施している。国の指針として推奨されている肺がん検診を全廃する案は、国の指針を下回る取り組みとなる。平成23年度、区では7,726名の方が肺がん検診を受診。肺がん検診を全廃するのではなく、各健康診断、基本健診時の胸部エックス線検査の活用や他の代替施策の検討など見直すべきではないか。

肺がん検診廃止は、限られたがん対策財源をより有効性の高いがん検診に充当するためで、国の指針でも喫煙と肺がんの関連が指摘されており、先ずは喫煙者に対する指導が重要。区としても今後、喫煙対策の普及啓発に努める。国保特定健診などの基本健診でも胸部エックス線検査を区の上乗せ項目として実施しており、今後は基本健診の受診率を高め、区民の胸部エックス線検査の受診機会を確保したい。

大腸がん検診については、区民の利便性や受診率の向上のため、各健康診断、基本健診と同時に受診できるようにすべきと主張してきた。がん検診等のあり方検討会でも同様の意見があった。明年度、大腸がん検診は基本健診と同時実施できる体制となるのか。

大腸がん検診は、科学的根拠が明らかであり積極的に推奨すべきとのがん検診等のあり方検討会の意見を踏まえ、受診環境向上のための整備を行う。大腸がん検診は基本健診を実施しているほとんどの機関で受診可能。積極的に大腸がん検診の受診率の向上を図る。

区の乳がん検診は国の指針と異なり、視触診検査とマンモグラフィ検査を別々に実施。区民より同時実施の要望が多く、また区直営のマンモグラフィ検査は、検査機器のリース期間終了に伴い、来年度からは区内医療機関4カ所においてマンモグラフィ検査を実施する。この医療機関4カ所では視触診検査とマンモグラフィ検査の同時実施ができるのか。同時実施の拡充のため区として努力すべきではないか。

同日・同一医療機関での実施について、区も受診者などから要望を受けている。実施の際の課題などを含め関係団体との調整に努めたい。

(2)地域スポーツクラブについて

昨年10月、区長が財政運営上の非常事態とのメッセージを区民に向け発表したが、こうした中でも区民の暮らしを守るためのセーフティーネットの確保や防災対策を着実に進めていく必要がある。平成25年度予算の編成では、事業や経費を聖域なく見直し、財源の確保と持続可能な区政運営の実現に取り組む。歳入の見通しが厳しい中、必要な事業であっても慎重に比較考慮し、優先順位をつけて予算配分をしなければならない。

中部すこやか福祉センターに併設予定の(仮称)中部地域スポーツクラブは、21年度に施設を改修。2年間未使用の後、24~25年度モデル事業を実施。26年度中に開設としている一方で、富士見中跡地に(仮称)南部地域スポーツクラブを建設する計画が進んでいる。

地域スポーツクラブの事業計画が定まらない中、二つ目の施設整備だけが進むことのないよう地域スポーツクラブの事業スキームを早期に確立する必要があるが、それはいつになるのか。また、事業スキームの確立後、(仮称)中部地域スポーツクラブの開設は26年のいつ頃になるのか。

地域スポーツ施設は、区民に継続した運動習慣の場所と機会を提供するための施策。区民の健康が医療費の低減化にもつながり、健全な姿であると考える。少しでも効果的、効率的かつ安定した運営ができるよう現在検討中。モデル事業に参加した区民の意見を聞き、着実な事業運営のスキームをつくり、26年度のできるだけ早い時期に(仮称)中部スポーツ施設を開設したい。

地域スポーツクラブの事業スキーム確立に時間を要する場合、(仮称)南部地域スポーツクラブの施設計画の進行についても検証が必要ではないか。

事業の運営スキームは、中野区らしいものにしようと慎重に行っているため時間がかかっているが、一度決定すれば(仮称)南部スポーツ施設の展開に応用できる。(仮称)南部スポーツ施設は、すこやか福祉センターと併設で平成28年度に開設予定。併設する各施設の開設時期を合わせ、効率的に整備する。(仮称)中部スポーツ施設のモデル事業は、地域スポーツ施設の効果的、効率的な運営の検討が目的で、(仮称)南部スポーツ施設の施設配置等に大きく影響することは無い。設計作業等は(仮称)中部スポーツ施設のモデル事業と並行して行っており、モデル事業の成果を(仮称)南部スポーツ施設の今後の詳細設計に反映させたい。

(3)障害者福祉手当(第二種)等について

障害者福祉手当は、東京都の基準で定められた第一種手当と区の基準で定めた第二種手当の2種類がある。今回の見直し(案)では第二種手当を65歳から段階的に廃止としている。現行では、64歳までに手当の支給申請を行えば65歳を超えても支給されるが、65歳を超えると支給申請ができない。この不公平を是正するために65歳からは支給を廃止するとの説明だが、合理的な根拠とは思えない。
65歳以上は手当支給の申請を受け付けないことについて議論がある中、区の手当が廃止されても、都の手当は65歳を超えても支給されるので不公平の是正とはならない。

一定の年齢で障害者福祉手当支給を取りやめる制度を実施している自治体は、東京の市区町村に存在するのか。また、第二種手当の廃止について合理的な根拠を伺う。

障害者福祉手当を開始した当時は、障害福祉サービスの内容が極めて少なく限られていた。その後65歳以上は介護保険サービスが受けられるようになり、障害者自立支援法などにより各種サービスが拡充。現金給付ではない具体的なサービスの環境が整ってきた。また、地域生活支援事業では利用者負担を実質無料化。これらを勘案し、不公平是正のため障害者福祉手当(二種)を一定の年齢で支給を停止する。このような例は都内では確認できていないが、二種手当は国や都の手当制度とは要件や対象が異なる区独自の事業であり、制度の趣旨に照らして見直しを行った。

障害者福祉手当(第二種)の対象は身体障害者と知的障害者で、精神障害者は対象とならない。障害者自立支援法や障害者総合支援法においては、身体、知的、精神の3障害、さらに難病も対象とすることが打ち出されている。障害者福祉手当の見直しを行うというのであれば、支給対象者に精神障害者を加えるべきではないか。

今のところ、支給対象に精神障害者を加えることは考えていない。

3.学校再編計画(第2次)素案について

中野区教育委員会は、学校教育の充実を基本に、適正規模の学校とするため学校再編が必要であるとし、平成17年10月に中野区立小中学校再編計画を策定。前期の計画期間を終え、再編計画を見直し、新たに中野区立小中学校再編計画(第2次)の素案が示され、各地域において意見交換会を開催。

前期計画の検証で教育委員会は、白桜小学校への統合、東中野小学校の廃校について、地域住民の理解や協力が得られなかったことによる児童数の不足を反省点とした。認識はいかがか。また再編計画(第2次)の推進に反映された点は何か。

白桜小学校は、推計以上の少子化と指定校変更・区域外就学のため、推定児童数、学級数に至らなかったと認識。学校再編計画(第2次)素案では、保護者や地域住民への指定校制度や統合に関する情報提供の強化、小中学校の連携推進など、より充実した学校教育の姿を示し、よりよい教育環境とすることを盛り込んだ。

学校再編計画(第2次)において三中の廃校の素案が示され、小学校に続く中学校の廃校に地域住民は不信感を抱いた。地域住民の理解や協力を得るために、最大限の尽力が必要。見解を伺う。

再編にかかわる学校や区役所、区民活動センターで意見交換会を開催し、出された意見や要望などについて、教育委員会でさらに協議を重ねている。町会や地区委員会への説明会の要望にも対応している。

平成21年3月に東中野小学校が閉校となり、現在暫定利用が続いている。中野区10か年計画(第2次)では跡地の活用として概ね平成26年に(仮称)東中野区民活動センターの移転と障害者の自立支援施設の併設が掲げられているが、現在のところ計画の素案すら示されていない。東中野小跡地は売却せず区が跡地活用を行うとしてきたが、いまだに売却を疑う声があり、不信を増している。平成26年度の本格的跡地活用に向けて、明年25年度早々に計画を策定し示す必要がある。見解を伺う。

東中野小学校跡地は中野区10か年計画(第2次)で東中野区民活動センターと障害者自立支援施設などを整備する計画だが、障害者自立支援施設は当該地での需要が見込めず、再検討が必要。地域の人が憩える広場の機能も確保したい。できるだけ早い時期にこの跡地の整備の方向性について示したい。

4.「なかのん」の運行について

コミュニティバス「なかのん」は平成17年11月、多くの地域住民の要望を受け、上鷺宮・鷺宮地域から中野駅周辺への移動や当該地域の高齢者等の外出機会確保と保健・福祉増進の目的で運行が開始された。昨年度の利用者数は延べ25万人を超え、北西部の区民の貴重な交通手段として定着。また中野四季の都市の中を走る唯一の路線でもある。
区は「なかのん」運行開始より3年間、運行経費補助を行ったが、平成21年度で全廃。完全に関東バス(株)による運行となり、路線採算が悪化。関東バスは明年3月ごろを目途に運行本数大幅削減の要望を区に連絡。
地域住民の大切な交通機関であり、高齢者の健康・福祉の増進という当初の区の目的を今も担っている「なかのん」の運行本数大幅削減は、中野駅周辺の再開発や明年の大学開学など、賑わいの波を区内全域に広めようという時に大きな損失だ。大幅な運行本数の減少は利用者離れに繋がりバス路線の存在自体が危ぶまれる。

区長みずから関東バス(株)本社に赴き、「なかのん」の運行体制の維持を強く要請し、今後の中野駅周辺地区の再開発と区内バス交通のあり方について話し合うべきと考える。区長の見解を伺う。

「なかのん」は、鷺宮や上鷺宮地域の住民にとっては貴重な交通手段。先日、関東バスに対し区から正式に、現在の運行体制の維持を要望した。区議会とも連携の上、引き続き運行事業者への働きかけを行っていく。

トップ同士の胸襟を開いた話し合いにより、双方の意見が十分に酌み交わされ、地域住民の要望がかなうことを切に願って、私の全ての質問を終わります。