平成23年 第4回定例会 一般質問

12月1日

1 平成23年度事業見直し内容(案)について

事業計画を策定するに当たっての財源的裏付けを明確にするとの項に、「まちづくりなど大規模な事業にあっては、『基準となる一般財源規模』である650億円に過度な負担を及ぼす事業は原則として実施しない。そのため、事業計画の策定に当たっては、国や都の特定財源、または特別区交付金の財産費等の確保を図るなど、十分な財源的裏付けを持った確実な計画とすること」とあるが、「基準となる一般財源規模」である650億円に過度な負担を及ぼす事業、また、十分な財源的裏付けを持たない計画は、このたびの事業見直し案には示されていない。現行の事業には該当する事業がないということか。また、現下の経済状況において、さらなる精査を要するのではないか。見解を伺う。

財源規模650億円ということについは、歳入の動向などから、ある程度、中長期に見た歳入の動向などから見て守るべき基準と考えているところ。歳出のほうの圧力は、扶助費の急増が加速していることもあり、極めて高いと感じているところ。その一方で、歳入の規模は減少の傾向が強く、財政運営の見通しというのは、これは極めて難しいものになってきている。そうした中でも、将来に向けて必要な取り組みについては、確保していかなければならないと考えている。将来を見据えた都市基盤整備などについては、国や都の交付金など、大型の投資をするための仕組みが用意されており、そうしたことを見きわめながら、中野区として将来に備えたまちづくりについては、着実に行っていくと考えている。しかし、一般財源に限りがあるという状況で、事業の延伸とか、時期を繰り延べるということも場合によっては必要となってくることもあると考えている。これから予算編成を具体的に作業する中で、着実に進められる事業は何であるか精査をしていきたい。

また、駅周辺の再開発等を指して、区の財政運営が非常に厳しい中、あたかも箱もの行政を行っているかのように区民には映る。また、そのような喧伝を行う政党がある。区民への説明責任を果たすためにも、改めて事業についての説明を求める。

中野駅周辺は、中野の中心として、また中央線の枢要な駅として、これから新しい東京の中で、東京の地域全体をリードし得る新しい都市の発信拠点として、整備発展させていきたいと考えている。50年、あるいは100年という単位で見たときに、この中野駅周辺のまちづくりを行っていくことが、この地域全体の活力を保っていく、また、居住環境や、あるいはさまざまな方たちの就労環境、また都市環境を守っていく上で不可欠な取り組みを現在行っている。財源については、大規模な基盤整備について、国や都の制度などを活用しながら、計画的かつ長期間に事業実施をしていくという堅実な枠組みを活用しながら進めていくということであり、いわゆる箱もの行政というような考え方──そういうふうに指摘をすることで、批判、非難しやすいということかも知れませんが、全く箱もの行政ということには当たらない指摘だと考えている。

また、財源的裏付けを持たない事業について、確実な計画とするとあるが、主に一般財源を投入する事業の見直しとして、区が進める地域スポーツクラブの整備事業について、いま一度事業スキームを見直し、財源を確たるものとし、さらに施設整備においても熟慮をめぐらすべきと考えるが、見解を伺う。

地域スポーツクラブの整備の財源は、できるだけ国の財源、国の補助金等特定財源を確保する努力を積極的にしたいと考えている。また、27年度開設予定の(仮称)南部地域スポーツクラブについては、富士見中跡施設に整備する複合施設ですので、一体として歩調を合わせて整備することが合理的だと考えている。この地域スポーツクラブについては、、区民の健康づくりや体力づくり、また学校運動部活動の支援、それからスポーツの指導力、競技力の向上といったようなことを総合的に推進して、これまで区が行ってきた健康づくり事業や介護予防事業等を積極的に担って、医療費や介護費等の削減を期待していきたいと考えている。健康づくり、介護予防の積極的に前に進み出る事業ということを実現できるスキームとして、地域スポーツクラブの整備は着実に進展させたいと考えている。

中長期の歳入見通しを確立するとの項には、その趣旨として、特別区民税や特別区交付金の徹底した調査研究による中長期の財政見通しを確立するとあるが、いつまでに中長期の歳入見通しを確立する予定なのか。

中長期の歳入見通しについて、現在、5カ年の歳入歳出の動向を見きわめながら予算編成を行っている。現在の経済状況の中で長期の見通しを立てることについて、大変難しいものだと実感しているが、予算案とともに5年間を見通した財政運営の考え方を示したいと思っている。その中で長期的な展望について、その時点での一定の考え方を示していくことになると考えている。

将来の事業の拡大や変容との項には、高齢化や少子化の対策、障害者支援などの施策は必要な事業であり、一般財源が減収になるからといって、すぐに取りやめることはできない。(中略)その将来見通しを的確に把握することとある。将来見通しをこれから把握しようとする中で、高齢者、子育て、障害者施策の見直し案が示されているのはどのようなことを意味するのか。

財政問題とは別に、高齢化や少子化などの課題に着実に対応していかなければならない、私たちはそうした状況にもあると考えている。需要が増えることが予想される将来の課題にも対応するためには、現在の事業について、給付の減や対象の見直しなども含めて、可能な範囲でぎりぎりの見直しを行うということも必要であると考えている。

まちづくり・まちおこしで収入を増加させるとの項には、大規模なまちづくり事業の進展や、それに連動するまちのにぎわい創出事業などにおいて、消費や税の経済効果を的確に把握することとあるが、現状において、消費や税の経済効果の見通しについて的確に捉えられておらず、これから捉えるという意味か。見解を問う。

新しい中野をつくる10か年計画では、中野駅周辺まちづくりに伴って見込まれる流入人口増の推計をもとに、区内商業の年間商品販売額の見込みを一つの目標として示している。事業見直しではこれらもベースに考えている。ただし、中野駅周辺まちづくりグランドデザインの進捗に応じた計画の具体化や、産業振興策の選択等によっても経済効果に影響するものと考えている。現在、(仮称)産業振興ビジョンを検討しているが、この策定の中で、一定の業種の産業集積に有効な施策の選択や、その効果等の検討に際して、必要な場合に改めて経済効果等の見通しを立て直していくことも考えていきたい。

<個々の事業見直し内容(案)について>

① 社会科見学・遠足代公費負担及び就学援助について

就学援助の認定基準を引き下げ、生活保護基準額倍率を1.15倍に変更すれば、23区中下位に位置するばかりでなく、社会科見学・遠足代全額自己負担とすれば、さらに重い負担となってしまう収入層を生んでしまう。よって、社会科見学・遠足代公費負担及び就学援助について現状を維持すべきと考え、熟慮を求めるが、どうか。

社会科見学・遠足代については、これまで保護者の負担軽減を図るために政策的観点から公費で負担してきたもの。就学援助については、制度の趣旨から考え、要保護に準ずる世帯の認定基準を生活保護基準額の1.0に近づけることとし、生活保護基準額の1.15としたものです。今後、区民、保護者の意見など踏まえて決定していきたいと考えている。

② 休日保育について

休日保育事業のうち、年末の12月29、30、31日を廃止すると、年末保育事業と重ならない12月31日についての施設による保育サービス事業の提供がなくなり、保育事業の手段としては、ファミリーサポートに頼らざるを得なくなってしまう。年末の年の瀬に施設を追い立てることがないように、12月31日に年末保育実施の4園の中で開所園を設けるべきと考えるが、見解を伺う。

ファミリーサポートによる保育は自宅でかつ長時間の預かりが可能であり、ふだんと異なる環境での保育である年末保育実施園と比較しても、十分に安心し得る保育環境であると考えている。12月31日は利用者数が少ないため、利用希望者にはファミリーサポートによる保育サービスを利用していただきたいと考えているところ。

③ 母子家庭自立支援給付、高等技能訓練促進費について

母子家庭自立支援、高等技能訓練給付金は、国の経済対策により、修業期間の全期間を支給期間とし、今年度末までに修業を開始した場合まで適用することとなっているが、来年度以降は未定で、国の支援が終了した場合、修業期間の後半の2分の1の支給となるおそれのある制度。資格取得による就職率が極めて高いと聞くが、事業実績を示せ。また、仮に国の支援が終了したとしても、区として独自の支援策を検討すべきと考えるが、見解を問う。

事業実績については、平成20年度から23年度11月末までに21人が対象となっており、22年度末までに3人が修了し、就労している。現在、16人が修学中です。平成24年4月以降については、緊急経済・雇用対策の終了に伴い、国の補助金が従前の後半2分の1の期間となる予定のため、区としても、後半期間への支給をする考えです。

④ 障害者通所施設利用者食費負担軽減支援について

調理室を完備した施設での給食サービスには、国の支援が設けられてきた。一方、調理施設がなく、お弁当による施設には国の支援がないため、区が単独で支援を行ってきた。しかし、国の動向は給食への支援の取りやめの可能性がある。仮に国の支援がなくなった場合においても、給食、お弁当の双方への支援策を区として検討すべきと考えるが、見解を伺う。

国の給食費の加算措置は、平成23年度末までの経過措置として実施されている。国の加算廃止に伴い、区が昼食代を独自に補助することは、財政状況や利用者の公平性の確保の観点から困難であり、廃止を考えている。なお、国の加算制度が平成24年度以降も継続となった場合については、中野区の食費負担軽減事業は継続をする予定です。

⑤ 高齢者自立支援住宅改修について

台所とトイレの改修限度額の引き下げ額は、平均の支給実績から判断しても同等程度であり、うなずけるものがあるが、浴室の改修限度額の引き下げ額は支給実績を大きく下回る。改修において、自己負担が大きくのしかかるような限度額の引き下げは改めるべきと考えるが、見解を問う。

自立支援住宅改修については、介護保険制度の住宅改修が適用され、これに上乗せして実施をしているもの。浴室改修については、実績から見て、浴室構造全体に及ぶ比較的大がかりな工事が多い状況です。そうしたものついては、一定の自己負担も取り入れることが適当であると考えたものです。

⑥ 人工肛門(消化管ストーマ)用装具等購入費助成について

障害者手帳の交付を受け、日常生活用具給付制度の対象者となれば、法内制度としての支援となるため、障害者手帳の交付を勧めることは認めるが、当該制度を廃止すれば、障害者手帳の申請から交付までの1カ月余り、この期間の支援がなくなってしまう。これまでどおり、障害者手帳の申請から交付までの切れ目のない助成を継続すべきと考えるが、見解を伺う。

人工肛門用装具等の購入費の助成については、現在は、手帳の申請から交付までの期間が1カ月程度にまで短縮されていることから、手帳交付後から御利用いただくように見直しをしたものです。医療機関への周知により、退院前から手帳の申請をしていただき、退院後の早い時期に手帳が交付され、交付と同時に給付することができるように、事務処理方法を改定するよう検討している。

2 高齢者等の見守りについて

現在、区で検討が進められている「地域支えあいポイント制度」については、制度設計の全容、詳細が明示されておらず、明年7月、実施時期が近づいている。疑問点は多々あるが、人と人とのつながりによる地域の支えあい活動の一層の推進を図ることは大事な施策。反面、制度設計においては緻密な設計を要する。制度のスケジュールだけが先行することのないように、明年7月の実施を遅らせることも視野に入れ、支える人、支えを必要とする人の利便性を第一義に、制度の検討をすべきと考えるが、改めて見解を伺う。

支えあいポイントの導入時期については、来年7月を目標とする実施時期については、利用しやすく持続可能なポイント制度を構築することを第一に考えて、必要に応じ柔軟に対応してまいります。

本年6月15日に可決成立した「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」に基づいて、介護予防・日常生活支援総合事業が創設された。この新設された介護予防・日常生活支援総合事業を活用すれば、区が進める地域支えあいポイント制度の大きな財源確保につながると考える。区として、財源確保の観点からも制度の活用を検討すべきと考えるが、見解を伺う。

支えあいポイントの制度の安定的、継続的運営のためには、一般財源の負担の軽減が必要であると考えているところ。新たに創設される日常生活支援総合事業など、介護保険制度も活用した事業構築を検討している。

3 公衆無線LAN整備について

震災以降、国、地方公共団体等におけるインターネット利用が増加していることから、経済産業省等が、公共機関が利用する際の指針を示している。改定作業中の中野駅周辺グランドデザインの素案においても、無線LAN整備についての検討が出されているが、公衆無線LAN整備をより具体的に進めるために、財源的裏付けとして、中野駅周辺地区の再整備における社会資本整備総合交付金の活用がなされている。中野駅周辺地区の整備において、公衆無線LAN整備について効果促進事業分などを財源として活用することにより推進すべきと考えるが、見解を伺う。

中野駅周辺地域における公衆無線LAN整備については、社会資本整備交付金などの財源や運営に当たる事業者の確保など、事業を効果的かつ安定的に進めるための方策について検討しているところ。中野駅周辺地域の活性化全体の検討の中で、最も効果的となるよう事業の構築を図っていきたい。

4 障がい者施策について

視覚障害者の情報取得、意思疎通に大きく寄与する手段として、平成15年度から、日常生活用具の給付種目に音声情報を読み上げる視覚障害者用活字文書読み上げ装置が導入された。本年の4月に、携帯電話にこの音声コードを読み取る機能が搭載された機種が発売され、明年4月、9月、各社から同様の携帯機種が発売予定となっている。また明年からは、公的年金の明細である年金定期便にこの音声コードが添付されることとなっている。現在、中野区においてこの音声コードが添付されている書類は、「障害者福祉のしおり」だけとなっている。音声コードの拡大について改めて見解を伺う。また、明年度において中野区職員の音声コードの研修実施に努めるべきと考える。さらに、視覚障害者がこの携帯電話を使用して音声コードを読み取る場合、携帯を固定する台座が必要となる。携帯電話ともども、区として日常生活用具の対象用具として検討すべきと考えるが、併せて見解を問う。

区では平成17年度から「障害者福祉のしおり」に音声コードを添付している。現在、日常生活用具の視覚障害者用活字読み上げ装置の給付実績において、文字情報を直接読み取る装置の給付が中心となっているため、その他の資料への音声コードの添付は行っていない状況。音声コードの読み取り機をはじめ、視覚障害者の利用しやすいさまざまな技術の開発が進んでいることから、その普及状況なども見ながら、区としての支援の方法などについて考えていきたい。

先日、我が会派でアポロ園を訪問させていただき、施設を見学、職員の方たちとも懇談をさせていただいた。保護者の方々からは、中野区の保育園や幼稚園、区立小学校の情報が欲しい、「福祉のてびき」など、区の発行しているものがすぐに施設に届くようにしてほしい、また、母親の育児不安などに対し、気軽に相談できるようにしてほしいという強い要望があった。例えば、アポロ園にすこやか福祉センター等から出向し、保護者や園に対して情報提供を行う、また、区立保育園と連携を図り、保護者がアポロ園に通園している時間内に子育て相談を行うなど、療育センターアポロ園に通園する児童と保護者に対し、区としてサポート体制を強化すべきと考える。療育の必要な児童を育てる家庭への支援の充実について、区の見解を伺う。

アポロ園を利用されている保護者に対しては、すこやか福祉センターの健康学習事業などの活用、保育園との連携強化を図り、アポロ園を会場として、子育てに関する各種の情報提供や育児相談などの場を提供していきたいと考えている。